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株主ならびに投資家の皆様へ 2006年 (分割版) | アニュアルレポート | KDDI株式会社 kddi ar2006 j04

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次なる成長を目指して

株主ならびに投資家の皆様へ

2005年度(2005年4月1日から2006年3月31日)は KDDIが次なる利益成長に向けて新たなステージに踏み出し た最初の年であり、顧客基盤拡大と「戦略とスピード」をキ ーワードに舵を切った年でもあります。先ずはこの2005年 度の成果と、更なる成長に向けた今後の戦略についてご説明 させていただきます。

Ⅰ. 2005年度の業績と分析

2005年度は固定通信市場における直収型サービスの提供 や、移動通信市場においては今年度秋に始まるMNP(Mobile Number Portability/携帯電話会社が変わっても電話番号が 変わらないサービス)に向けて第3世代携帯電話のサービス・ 料金プランの拡充を図るなど、事業者にとって新たな局面を 迎えた1年でした。また、NTTの独占的支配力に対し、公正 かつ健全な競争の在り方について議論が活発化した年でした。

2005年度のKDDIの連結損益状況の詳細につきましては、

「各事業セグメントのレビュー」及び「財務概況」をご参照 いただきますが、概略は以下の通りです。

* 好調な移動通信事業が固定通信事業の赤字を吸収し、連結 ベースでは営業収益は3兆608億円(前期比4.8%増)、営 業利益は2,966億円(前期比0.1%増)、当期純利益は 1,906億円(前期比5.0%減)となりました。

* 移動通信事業においては、第3 世代携帯電話の契約数が順 調に増加した結果、営業収益は前期比8,6%増の2兆5,104 億円、営業利益は前期比21.3%と大幅増の3,544億円とな りました。

* 固定通信事業では、「KDDIメタルプラス」の拡販並びに株 式会社パワードコムとの合併の影響もあり、営業収益は前 期比3.9%増の6,193億円となりました。しかしながらメ タルプラス販売拡大のための作業委託費並びにコミッショ ン等営業費用が増加したことにより、当期の営業損失は 613億円となりました。

これらの結果を踏まえ、株主還元については年間の配当額 を1株あたり8,000円としました(2004年度6,900円)。

単体ベースでの配当性向は20.8%となり、2005年度も 当社が当面の目標とする配当性向20%超を実行すること ができました。今後も更なる成長への積極的な投資を勘案 しつつ、安定配当の持続に努めてまいります。

Ⅱ. 2005年度における各事業の取り組み状況 1. 移動通信事業

2005年度は移動通信事業において、音楽に強いauを進化 させたLISMO(au LISTEN MOBILE SERVICE)等第3世 代携帯の特性を活かした新サービスの投入により、顧客基盤 の更なる拡大を図ってまいりました。auはお客様満足度ナ ンバーワンの評価を背景に、顧客リテンションに努めた結果、 解約率に関しましても改善が進んでおります。これにより顧 客基盤と収益の拡大については目標を上回る成果を残すこと ができました。

また2005年10月に、KDDIは株式会社ツーカーセルラー 東京、株式会社ツーカーセルラー東海、株式会社ツーカーホ ン関西を吸収合併し、同月よりツーカーのお客様については auへのご契約変更時に電話番号が引き継げるようになりま した。さらに、2006年2月からはEメールアドレスの引き 継ぎも開始し、円滑に移行を進めました。ツーカーからau への移行は今年秋のMNP本番に向けてスムーズな運用体制 を構築する上で、非常に大きな経験となりました。

2. 固定通信事業

固定通信事業においては、2005年度は「KDDIメタルプラ ス」の上期のエリア拡大の遅れが回線開通に影響し、作業委 託費並びにコミッション等コストが先行したため、赤字幅が 当初の見込みより膨らんだ結果となりました。しかしながら 下期の着実なエリア拡大に伴い、2005年度末には回線開通 も目標の170万回線に対し180万回線とペースアップし、 2006年度に向け一定の足場は築けたと考えております。

また、今後の固定通信事業基盤強化の観点から、2005 年 10月に東京電力株式会社と通信事業の包括提携について合 意いたしました。これに伴い、FTTH事業におけるプレ統合 サービスとして2005年11月より「KDDI&TEPCO光キャ ンペーンプラン」の提供を開始いたしました。さらに2006

「戦略とスピード」をキーワードに、一層の顧客基盤の拡大と新たな

事業ドメインの開拓・育成を推進します。

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KDDI Annual Report 2006 10 年1月には、法人のお客様向け広域イーサネットサービ

ス市場においてトップシェアを誇る株式会社パワードコ ム(以下パワードコム)と合併いたしました。

3.FMC(Fixed and Mobile Convergence:固定と 携帯の融合)

FMCの加速に向けての第一歩として2005年5月の固定 電話と携帯電話の統合請求「KDDIまとめて請求」の開 始に続き、2006年1月には、au 携帯電話とPC がシー ムレスに連携する業界初の総合音楽サービスLISMO サ ービスをスタートさせました。また、2005年6月には 固定と移動のIP統合網「ウルトラ3G」構想を発表しま した。

組織的にもFMC推進に向けて、2005年12月1日付け で事業体制を再編し、マーケットセグメントを新たに個 人と法人とに分けて、モバイルと固定の事業を統括する、 コンシューマ事業統轄本部と、ソリューション事業統轄 本部を設けました。また、この組織改正にあたり、移動 通信と固定通信間で積極的な人事交流を行いました。

Ⅲ. 今後の事業展開について

今後の持続的な成長に向けて、展望を以下のように考えてお ります。

* 今後、通信市場全体ではFMCや通信と放送の融合が進み、 従来のトラフィック収入に加え新たな事業であるコンテ ンツ・メディア系サービスが更に伸びるものと予測され ます。

* こうした中、KDDIが独自の強みをマーケットで具現化し ていくには、移動、固定双方で更に事業基盤の強化を図る 必要があります。

このような認識のもとで、MNP、固定通信事業における FTTHを巡る戦略的提携、コンテンツ・メディア事業への取 り組み強化がKDDIにとって大きなポイントになると考えて います。このアニュアルレポートでは、これらを現場で推進 しているキーパーソンが現状での取り組みをご説明させてい ただきます。KDDIが考える具体的な中期戦略の一端をご理 解いただければと思います。

1. 移動通信事業

国内の移動通信市場は、2005年11月に新規事業者の参入 が決定、さらに2006年3月にはソフトバンクによるボーダ フォンの買収など、ここ1年で急激に変化しております。当 社は、これら事業環境の激変に対し、今後とも総合的な商品 競争力の強化を図り、お客様サービスの向上に努めてまいり ます。また、この秋に予定されているMNPの導入について

は、実際にどれだけのお客様が動くか読みきれませんが、市 場での流動性が高まればそれだけ当社にとっては顧客基盤拡 大のチャンスになると見ています。当社はこのMNPにおい て高品質なネットワークインフラをベースとし、端末、コン テンツ、料金の総合力で一層の顧客基盤拡大を目指します。 また、大容量かつ高速なブロードバンドサービスEV-DO Rev. Aを2006年内に展開する予定です。EV-DO Rev. A の技術的特性を活用したau独自のサービスについても開発 を進め、データサービスのインフラ優位性堅持による商品 競争力の強化を図ります。当社の移動通信市場における累積 シェアは、2005年度末時点で27.7%であり、早期にシェア 30%、3,000万契約の達成を図りたいと考えています。

今後は、新たな収益基盤として、新事業ドメインを開拓、育成 をしていくことが大きな課題となります。具体的には、コン テンツ・メディア事業、法人市場を中心としたモバイルソ リューション事業の育成に積極的に取り組んでまいります。

2. 固定通信事業

メタルプラスサービスについては、2006年度には前年に開 通したお客様の売上が寄与しますので、採算も大幅に改善し、 2007年度には黒字に転換する予定です。

また、2006年度はFTTH事業の本格展開に向けて着実に準 備を進めてまいります。2006年6月1日よりKDDIと東京 電力が協力して提供するFTTH統合サービス「ひかりone」 を、本格的に開始しました。今後については、2007年1月 を目途に東京電力のFTTH事業についても当社に統合する方

小野寺 正 代表取締役社長兼会長

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向で現在検討を進めております。まず、ブロードバンド世帯 の多い関東エリアで、東京電力との協業によるFTTH事業の 成功モデルを作ることに着手いたします。

法人のお客様向けサービスでは、今後、拡大が期待される広 域イーサネットサービス市場において、「KDDI Powered Ethernet(KDDI パワードイーサネット)」を主力サービス と位置付け、パワードコムの強みであった、高品質なサービ ス、サポート体制などを最大限に活かし、法人事業の強化を 図ります。

3. FMC

KDDIは「ウルトラ3G」構想を軸にFMCに向けての準備を 着実に進めております。将来的なネットワークバックボーン となるCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク)に ついてもほぼ構築を完了し、2008年3月末には世界に先駆 け固定電話網のIP化を終了する予定です。さらに、現行の第 3世代携帯電話、無線LANに加え、「次世代CDMA2000」 などの新たな無線システムに、ADSLやFTTH等の固定アク セスを包含しつつ、各々のアクセス手段には依存しない固 定・移動を統合したネットワークシステムを構築いたしま す。これにより、お客様が固定通信と移動通信との区別を意 識することなく高速データ通信や高品質マルチメディアをい つでもどこでも、最適な通信環境でご利用いただくことがで きるサービスを提供いたします。

(CDN:Contents Delivery Networkの略。音声、動画な ど、一定の品質保持が要求されるコンテンツを配信するため に、優先制御や配信制御技術などを盛り込んだ高品質IPネッ トワーク。)

Ⅳ. CSR活動について

事業の公益性を鑑みると、利用者の皆様のサービス利用環境 の最適化に努めることこそが、当社の最大の社会的責務であ ると認識しております。また、CSR基盤の充実をベースと して、お客様をはじめとし株主・投資家の皆様を含むすべて のステークホルダーの満足度を高めるTCS(トータル・カ スタマー・サティスファクション)活動を一層推進すること により、企業価値の更なる増大、ブランド力の強化に努めて まいります。

KDDIでは、「コーポレートガバナンスの基本方針」を策定し、 ガバナンスの体制を明確化するなど、コーポレートガバナン スの強化に積極的に取り組み、経営の効率化と透明性の向上 に努めてきました。2006年度は、KDDIグループ全体の業 務の適正を確保する体制を強化するため、「内部統制システ ム構築の基本方針」の策定や内部統制室の設置など、より一 層のコーポレートガバナンスの強化並びに企業クォリティの 向上を図っております。

情報セキュリティ、情報開示、リスクマネジメントの取り組 みについては、一層の強化を図る一方、地球環境保護を推進 することが企業の重要な責務であるととらえ、「KDDI環境憲 章」を制定し、環境に配慮した積極的な取り組みを推進し、 豊かな社会の実現に努めています。

なお、当社は、当社が提供するインターネット接続サービス

「DION」をご利用いただいているお客様に関する2003年 12月18日時点の情報約400万名様分が外部に流出してい たことを、2006年6月13日に報道発表いたしました。お 客様をはじめとする皆様に対し、多大なご迷惑、ご心配おか けいたしますことを、深くお詫び申し上げます。当社は、今 回のお客様情報の流出を真摯に受け止め、全社を挙げて再発 防止に取り組んでまいります。

KDDIは「ユビキタス・ソリューション・カンパニー」とし て、既存事業を一層充実させるとともに、新たな事業領域を 創造してまいります。この過程で重要なことは、KDDIがお 客様のニーズを先取りしていく「価値創造企業」でなくては ならないということであり、常にお客様満足度の向上を追及 する「お客様重視企業」でありたいと考えております。お客 様満足度の最大化こそが、企業価値の最大化を図る最短の道 と考えています。この大きな目標に向かって、全社一丸とな って邁進してまいります。株主・投資家の皆様並びに全ての ステークホルダーの方々におかれましては、今後とも変わら ぬご支援とより一層のご鞭撻を賜りますようお願い申し上げ ます。

2006年7月

代表取締役社長兼会長 小野寺 正

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株主ならびに投資家の皆様へ

参照

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